「成瀬は天下を取りに行く」が面白かったので書きます。
・あらすじ
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!
・感想
宮島未奈さん著のこの作品、帯に書かれている通り、”かつてなく最高の主人公”である「成瀬あかり」のキャラクターの魅力を、さまざまな登場人物の目線で目撃します。
誰とも似ていない、我が道を行く、変わり者の成瀬に、周囲の人々は掻き乱されたり、期待をしたりします。そんな彼女に振り回されながら、読者のみなさんもいつのまにか成瀬のことが好きになっていると思います。
思春期の物語とはいえ、決してキラキラしているわけではなく、成瀬といういきものといろんな人が触れ合い生きているだけです。が、そのなかでグッとくるシーンがいくつかあります。帯の紹介文を担当した東村アキコさんの言葉を借りると、「甘酸っぱくもない、エモくもない」、そんな淡々とした青春の眩しさのある作品だと思いました。
滋賀の大津という土地を舞台に描かれた、成瀬のパワフルな生き様を、ぜひみなさんご覧ください!
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